知らなかった!梨の不思議 トリビアページ






   
 品種改良のため交配をくりかえした和ナシは、さまざまな品種の遺伝子を持っている。和ナシの遺伝子はとても不安定で、種から育てると、別品種の木になってしまうことがある。枝変わりと言って、ひとつの枝に成る実が別品種のナシになってしまうこともある。
 これを防ぐため、和ナシは接ぎ木で大きく育てる。だから、梨農園で栽培される同品種の和ナシはすべてクローン木だ。

 接ぎ木の台になる木を台木といい、和ナシの台木はナシ科ナシ属のマンシュウマメナシや、チュウゴクナシを使うことが多い。リンゴ台木のマルバカイドウを使うこともある。これらは病気に強く和ナシの台木に適している。

 ちなみに、サクラのソメイヨシノもすべて接ぎ木のクローン木だ。もしも、全国のソメイヨシノを一か所に集めたとすると、あるとき一斉に開花し、桜前線という風物詩は成立しない。桜前線が成り立つのは、各地の気温差による生長変化だ。


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