知らなかった!梨の不思議 トリビアページ






   
 種子植物は、雄しべの花粉が雌しべに付く受粉があって結実する。ナシの受粉はすこし特別だ。

 ナシの花も同一花内に雌しべと雄しべがあり、普通なら開花後に虫たちによって受粉が進む。しかし、ナシは、同一花内の受粉を受け付けない。

 それだけでなく、同一品種間の受粉も成立しない。つまり、同じ花の中での受粉ができないことに加え、別の木同士の花であっても、同じ品種のナシの花では受粉出来ないのだ。こういう性質を「自家不和合性」という。

 では、別品種間での受粉で結実するかというと、これにも問題が残る。受粉が成立する品種間と成立しない品種間があるのだ。こういう性質を「交配不親和性」という。

 たとえば、二十世紀と二十世紀は、自家不和合性のため受粉できない。二十世紀と菊水は交配不親和性のため受粉出来ない。二十世紀と幸水や豊水は相性が良く互いに受粉できる。というように、受粉の相手を選ぶのだ。
 梨農園には互いに相性が良い複数の品種を植えているのは、こうしたナシの性質によるためだ。


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