知らなかった!梨の不思議 トリビアページ






 農園で普通に見られるナシの木は、背丈が低く枝も横方向に広く伸ばしている。実はこれ、人が作った果実栽培のための究極の整形だ。

 果実栽培には、誘引、摘花、摘果、袋掛け、収穫などの頭上の作業がたくさん続く。 
 これらはすべて人の手作業だ。

 そのため、農園では、ナシの苗木を植えたときから、将来のナシの木の姿をイメージして樹形を整えていく。

 しかし、本来のナシの木は、上へ上へと伸びていく木だ。高さは15mにもなる。 成木に実った実をすべて収穫するのは不可能だ。風が吹くと枝が揺れて、実も落ちる。農園のナシの木は、本来のナシの木の性質を果樹農業のための樹形に仕立てる知識と経験と技術がわんさか詰まった作品だ。

 ナシは落葉樹でもある。しかし、あまり紅葉しない。全体に黄色く染まるまで葉を残す豊水ナシのような木もあるが、ほとんどはパラパラと葉を落としていく。

 マメナシの仲間には赤くなるまで葉を残す種が多い。RIKAENで街路樹用に育てているマメナシのブラッドフォードは、晩秋にその葉をみごとな赤に染める。


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